看護師の過労の実態
看護師の仕事は夜勤もあって不規則な生活になりがちです。
そのうえ、労働時間も長く、超過勤務にもなることもあるでしょう。
とはいっても、せっかくの休みの日にも、看護研究や研修などで身体も心を休める暇もないなんてこともありますよね。
日本看護協会が実施した看護師の時間外勤務の実態調査によると、約2万人もの看護師が月60時間以上の時間外勤務をしていて、過労死のハイリスクレベルにあてはまっているとしています。
実に、約23人に1人の看護職員がそのレベルにあたるのです。
看護職員の管理者側も半数以上が看護職の労働時間の管理について何かしらの問題があると感じていながらも、長年の習慣からこの問題を放置してしまっています。
このままの状態を放置して、看護師の過労が進んでいってしまっていいのでしょうか。
日本看護協会によると、2008年には2人の看護師が過労死として認定されたと明かしています。
内容はどのようなものかというと、
東京都内の病院のオペ室の看護師(当時24歳)が月の残業が100時間を超えていて過労によって死亡したというものと、大阪府内の病院で当時25歳の看護師が月の残業が50~60時間になり、交替勤務の身体的負担から脳血管疾患によって死亡したというものです。
実際に看護師が過労死をしてしまうようなこのようなことは一切あってはいけません。
もちろん、看護協会もこのような調査から環境を良くしていくためのさまざまな対策をしてきているかと思いますが、まだまだ、看護師の長時間労働の辛さから退職してしまう看護師さんが後をたちません。
また、長時間労働があるだけでなく、残業してもサービス残業としてしか認めてもらえないところもいまだにあるようで、残業を月平均40時間くらいしているにも関わらず、たった8時間ほどしか付けさせてもらえない…なんてこともよくあります。
昔からの習慣からこのような状態のままできていていいのでしょうか。
看護師さんの定着率を良くしたいのであれば、まだまだ医療機関が変わっていかなければいかない課題はあるようにしか思えません。
看護師を疲弊させるブラック病院の存在
病院には、様々な年齢層の看護師がまんべんなく働いているのが理想的ではありますが、病院によっては若い看護師ばかりというところも少なくありません。
若い看護師が毎年大量に採用されて、大量に退職していくような病院はブラック病院の可能性があります。
給与が比較的安くてすむ若い看護師を使いまわして、看護師に長時間労働をさせるだけでなく、残業代も支払わないような病院が実際に存在しています。
面接では残業はほとんどありませんと言われて転職したのに、入職してみれば残業ばかりで手当もつかないということがあるのです。
ブラック病院で働く看護師は環境が良くない上に、給与も見合わないため疲弊してしまいやすくなります。
最近、長時間労働ばかりさせられていて、疲れがたまっているという方は、次のような症状がないか確認してみましょう。
看護師の過労の症状は?
看護師の過労の症状をほおっておくと、心身ともに病んでしまうこともありますよ。
過労の症状が出ているにも関わらず、無理に身体を奮起させて仕事を続けている方もいるので危険です。
仕事への責任感から自分の身体の過労のサインを逃さないようにしてくださいね。
こうした状況や症状があれば、あなたの心身ともに疲れているかもしれません。
●長時間残業が当たり前になっている
●いつも睡眠不足気味で、毎日の睡眠時間が6時間以下だ
●ここ最近、倦怠感が取れない
●このところ風邪を繰り返す
●腹痛、胃痛がたびたび起こる
●休みの日でも長時間寝てしまう
●責任の重い仕事に携わっている
●人員が減ってしまい仕事量が増えた
●ここ最近、別の科に異動したり環境の変化があった
●ミスをしたことを引きづっている
●不規則な生活で不眠気味になっている
では、もしこのような状況や症状があるならどうすればいいのでしょうか?
過労の対処法
過労に気付いた時には、まずは休みを取って心と身体を十分に休息を与えることです。
そのまま働きすぎて倒れてしまわないうちに、何かしらの対処をしなければあなたが潰れてしまうこともあるかもしれません。
また、あなたが今働く職場環境が良くないのであれば、師長に相談してもう少し楽に働ける科への異動をお願いしてみましょう。
あなたの職場では、異動希望は通りそうでしょうか?
異動を打診出来そうになかったり、どうしてもきつい場合には転職する必要性が出てきます。
- 残業時間が少ない職場
- 有給休暇の取得率が高い職場
- 残業手当がしっかり出る職場
こうしたところへ転職して、状況を改善しましょう。
看護師の転職サイトを使って、これらの情報を教えてもらうとギャップの少ない転職ができますよ。
看護師の転職サイトもたくさんあってどこを利用していいかのかよく分からないという方のために、
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