看護師が押さえておきたい!今後の転職市況はこう変わる
この先、どんどん看護師が余ってくる時代がくる可能性があります。
今は、看護師免許さえ持っていれば、どんなに経験が浅くても、長期のブランクがあったとしても、転職や再就職に困るということはあまりありませんよね。
実際に私も転職エージェントのコンサルタントをしてきましたが、希望条件を求めすぎなければ転職先が決まらないという人はいませんでした。
でも、この看護師不足の状況が、これからは変わってくるかもしれない!いずれは看護師の飽和状態が来るかもしれない!と思っています。
2016年以降の看護師転職市況はこう変わる
2014年の診療報酬の改定では、これまでの病院の看護基準7:1を取るための基準がよりいっそう厳しくなりました。
重症な患者だけを取っていて、退院時には患者の75%が在宅療養か、在宅復帰するための介護施設などへの転院することが義務付けられているのです。
そして、2016年の改定によって、この割合が80%とされるまでになりました。
これがどういう結果をもたらすのかと考えると、7:1を取るための基準がよりいっそう厳しくなったことによって、今後、病院によっては7:1→10:1に下がる病院が増えてくると考えられます。
そうなれば、必要な看護師の人数も少なくなるので、逆に看護師が余ってくるというような病院も出てくることでしょう。
そして、これまで他病院からの転院の患者の受け入れで成り立っていた病院が、患者の受け入れができなくなってしまうということも考えられます。
患者が減ってしまえば、必要な看護師の人数も少なくなってしまうので、転院だけで成り立っていたような病院では新たに看護師を採用することが減ってしまいます。
さらに、2014年には地域包括ケア病棟という新しい病棟が新設されました。
地域包括ケア病棟を新たに設置した病院では、急性期病棟の入院料よりも高い点数を稼ぐことができるようになっています。
そのため、病院によっては状況を見極めて導入にまだ踏み切っていないところはあるものの、新たに地域包括ケア病棟を新設した病院がたくさん出てきています。
この地域包括ケア病棟では、13:1の看護配置基準でいいために、看護師が今までよりも少ない人数でいいのです。
この地域包括ケア病棟を導入する病院がますます増えていくことによって、どんどんと看護師の採用人数が減っていくものと考えられます。
介護職や保育士から看護師になる人が急増する!?
また、2021年ごろに向けて厚生労働省が看護師の人数を増やしていくために、介護福祉士や保育士から看護師になりやすくするための制度が検討されています。
看護師になるには、最短でも看護師の専門学校に3年通わなければ、過程を修了することができませんでした。
でも、この制度が導入されれば、医療と福祉との間で共通した基礎課程が設けられるために、介護職や保育士がわずか2年で卒業できるようになっていくのです。
介護職や保育士は低賃金だと叫ばれる中、こうした制度によって看護師になりたい!という人が一気に増えていくかもしれません。
また、この制度は、精神福祉士、理学療法士、作業療法士…といった他の職種においても、検討がすすんでいるようなのです。
この制度が2021年ごろから本格的にスタートすれば、看護師の人数があっという間に今より増えていくことになるでしょう。
看護過程の新設された学校が増えたり、看護学校がどこも定員がいっぱいになるほどの人気ぶりということを考えれば、この状況は現実なる日が来るかもしれませんね。
これからどう動けばいいの?
今、現在では看護師は不足していますが、こうした制度の導入によって、看護師はいずれ飽和状態を迎える日がくるかもしれません。
今はまだ、日勤のみで働きたい!土日休みで働きたい!といった条件付きの求人でも、探せば見つけることはできますが、今後は条件付きの転職ができなくなっていくと考えられるでしょう。
看護師が余れば、病院ならどこも夜勤ができる常勤を優先的に採用したり、中途採用においても、できるだけ即戦力になる経験豊富な看護師や、長く働き続けてくれそうな若い看護師を採用するケースが増えていくことになります。
だからこそ、転職を考えている方は、長い目でみて長く働き続けられる病院を探すことが大切だといえます。
転職を繰り返すことなく、キャリアアップということがいかに大切になるかが問われる時代がすぐそこに迫っているので、そうなってから焦らないためにも今のうちに良い環境の病院へ転職をしておくといいと思いますよ。